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【2008.06.03】 その他
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裏ウォーターゲート事件(?)
シネフィル・イマジカで「キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ」というのを放映していて、今売れに売れているキルスティン・ダンストの昔のってどんなかなぐらいの気持ちで見ていたのだけれど、これがめっぽう面白い。(1999年アメリカ・カナダ・フランス制作)

あの、ニクソン大統領を辞任に追いやったウォーターゲート事件の裏話ともいうべきストーリーで、ただし、オバカ満載。リチャード・ニクソンを徹底的におちょくっているところが痛快だ。
全米を震撼させた政治スキャンダルが2人の高校生によって発覚したなんて・・・もちろんフィクションだけど、事実と結び付いた小ネタの一つ一つがすごく面白いのだ。

ウォーターゲート・ビル(ワシントンDC)内の民主党本部に盗聴器を仕掛けようと侵入した不審者が、このビルの住人である高校生のキルスティンと遭遇して目的を果たせなかったり、侵入者が残したとされるドアのテープは(これは事実)、じつはキルスティンと親友が夜遊びに出かける際ドアに鍵がかからないいように細工したものだったというオチ。

高校の社会科見学でホワイトハウスに行った2人が大統領の執務室に迷い込み、大統領と仲良くなって彼の犬の散歩係を頼まれる。
たまたまキルスティンの兄がベトナム戦争に徴兵されることになり、徴兵は止めてと大統領に頼み込んだ結果が、ベトナム戦争集結につながる。

なんてステキなディック(大統領の愛称)!!とすっかり惚れ込んでしまった親友のアーリーン。家中にべたべた張ってあったアイドルの写真がすべてニクソン大統領に代わるのがバカっぽくてカワイイ。

ホワイトハウスに出入りして側近達とも仲良くなったりする内に、さすがに大統領周辺の闇の部分に気付くようになる。大好きなディックは差別主義の汚いヤツだった。たまたま賄賂の相手を記入した一覧表を拾い(これは飼い犬のよだれで使えなくなってしまうが)、必死に賄賂の証拠となるものを探し求め、ワシントンポストに情報をリークする。

担当記者ボブ・ウッドワードに名前を聞かれて、とっさに「ディープスロート」と答えるが、この名前ははキルスティンのジャンキー兄貴が観に行ったのを父親に叱られたポルノ映画の題名。
かの有名なワシントンポストへの情報提供者ディープスロートがこんなネタになるとは。

かくして、ニクソン大統領は退陣に追い込まれ、官邸を去る大統領専用機の窓から見えたのは、屋根に広げられた「YOU SUCK DICK!! 」の文字。もちろん2人の仕業だ。
そして2人は屈託無くローラーディスコに興じる。(終)

登場人物がなかなかいい。主役の2人はキュートで行動力に富み、リチャード・ニクソン(ダン・ヘダヤ)はご本人にそっくり。オーバー演技で笑わせてくれる。
ワシントン・ポストの記者ボブ・ウッドワード(ウィル・フェレル)と同僚カール・バーンスタインの掛け合いがコントみたい。とくに、ウィル・フェレルは「The Producers」のフランツ・リーブキンを彷彿させるアブナイ人風。
70年代の音楽や流行なども織り交ぜて、なかなか楽しい映画だった。


【2007.10.08】 Movie/DVD
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「HEROES」プレミア放送
Super! drama TVの「HEROES」プレミア放送を見た。未だ2回分だけのプレミア放送だから、「24」や「ROST」を超えた全米メガヒットドラマ !といわれてもピンと来ない程度の内容に思えた。
とくに第1回は、世界中に散らばる超能力に目覚めた平凡な人々の紹介に終始した感じで盛り上がらなかったな。
この超能力を持つ人たちっていったい何人居るんだろう。話題の中心は、日本のサラリーマンでアニメオタクのヒロ・ナカヤマを演じている日本人俳優マシ・オカらしいが、吹き替え放送だったので、例の「ヤッター!」も日本語の中ではインパクトがなかった。

アメリカ人の相変わらずの日本観には笑わせてもらった。ヒロ自身がちびで小太り、めがねという従来の日本人像。
酒場で流れている曲はパフィーで、ここでライブやってる2人組はバックストリート・ボーイズのエアボ中国人もどき。こんなところは日本人の好みというよりアメリカ人の好みだね。

自分に飛行能力があると信じて高層ビルから飛び降りたりする介護士のピーター(マイロ・ヴィンティミリア)は「ボストン・パブリック」のかっこいい麻薬捜査官ではないか。(高校生としてウィンスロー高校に転校してくるけれど、麻薬ディーラーとの撃ち合いで死んじゃうのよね。)俳優さんはことし30歳だというのに「HEROES」では何か頼りない幼い感じがする。これから超能力に目覚めて人間的にも大人になっていくのかな。

破壊的な力を持つ二重人格の若い母親、不死身のチアリーダー、人の心が読める下っ端の警官、予知能力のあるアーチスト、父親の遺志を継いで超能力を持つ人々の可能性を研究する遺伝学者、それにピーター兄弟などなど。マシ・オカは瞬間移動が特技かな。
彼らを待ち受ける巨大な破壊力ってこれから徐々に姿を現すのか。10月16日(火)から本放送が始まるから、それからだな。

【2007.09.30】 TV
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「トリスタンとイゾルデ」DVD
予約しておいた「トリスタンとイゾルデ」のDVDが届いた。
何度見ても私好みの映画で飽きない。すべてが美しい。戦で倒れた勇者を海に放つ葬舟。沢山のたいまつに囲まれて小さな舟で嫁いでくる婚礼の式。重厚な時代衣装の裾を翻して馬を駆ける騎士達の勇姿にはもうわくわくする。アイルランドの荒涼とした海辺の風景も、コーンウォールの館の手作り感も好きだ。そして若い2人の許されない恋の激情も。

思えば、「トリスタンとイゾルデ」という伝承物語自体が好きで観に行った映画だったが、トリスタン役のジェームズ・フランコにすっかり魅せられてしまった。憂い顔の騎士に・・・。

特典のメイキングによると、こういう時代劇は一般受けしないので、かなり低予算で作られたとのこと。ジェームズ・フランコ自身「『義務と名誉』なんて今は流行らないからね」とあのチャーミングな笑顔で言っている。
プロデューサーのリドリー・スコットはこの物語をずいぶん長い間温めていたという。大ヒットの当てもないのに制作してくれて本当にありがとう。

【2007.06.03】 Movie/DVD
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ハリーが・・・! 「スパイダーマン3」
「スパイダーマン3」を観てきた。前2作と比べると、手を広げ過ぎて焦点がぼけたという感じか。この作品が持つ青春映画的側面も薄くなったってしまったという印象だ。

宇宙から飛来した生命体がピーターにとりついて、ブラック・スパイダーマン化するという設定は、ハイドかあるいはメフィストかという1人の人間の中にある二面性を描いているものとな思われる。そして、圧倒的に強いということは、人間性や正義とかの名目を凌駕するほどの魅力を持っているのだ。

たまたまスパイダーマンがニューヨーク市民の正義の味方として熱狂的に歓迎されているさなかにあって、ピーター自身少しいい気になっている虚を突かれて、ブラックにとりつかれたという感じ。
結局この慢心が恋人M.Jを傷つけ、結果的にハリーを死に追いやることになるんだな。そう、ハリーはピーターに助太刀して死んじゃうのだ。もう第4作なんて観ない。ハリーの居ないスパイダーマンなんて・・・(泣き)

でも、ジェームズ・フランコのハリーは3作中一番かっこよかったかな。悩める貴公子風情がこの人ほど似合う俳優もなかなか居ない。
オープニングで、ニュー・ゴブリンとなってスパイダーマンと戦うシーン、父の敵スパイダーマンへの憎しみに凝り固まった感情の爆発が先ずいい。

この戦いの後遺症でそのことをすっかり忘れ、病院に見舞いに来たピーターに対し「彼のためなら死ねる」というハリーのけなげさ。
M.Jへの片思いの切なさ。そして父親の幻影に促されて再びスパイダーマンへの憎しみが再燃するハリー。変化するハリーの人格描写がさすがジェームズ・フランコは上手い。

それに引き替え、ピーターのハリーへの感情はいまいち伝わってこない。ハリーの死について「彼は満足していると思うよ」というようなことを言っているし、直ぐにM.Jとヨリを戻すのもいただけない。
まあ、ハリーびいきの私の印象だから、当てにならないと思うけど。
ただ、あると言われている第4作に向けてトビー・マグワイアのオッサン化現象は何とかしてほしい。

【2007.05.09】 Movie/DVD
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真冬にバラが満開!
好きなタレントさんが出ているので、今週から始まった「警視庁捜査一課9係」のseason2を見た。
ところがドラマの冒頭ですっかり引いてしまった。犯人が刑期を終えて出所してくるシ−ンだ。途中公園のようなところを通る。

kadan

上の画像のように、バラが満開ということは季節は5月中旬〜6月初め頃。それなのに、後ろの木立は梢に葉が全然無い。冬木立の様相だ。本当なら新緑のまぶしい季節のはずなのに。(後ろにこんもり茂っているのは常緑樹でしょ)
それに、ハイブリッド・ティ系のバラはこんな風に草花の様な生え方はしない。トゲを刺した犯人が怒ってめちゃくちゃに踏みつけるシーンでカサカサ音がしたのは造花だったからか。

犯人の偏執性や、美しいものを平気で蹂躙する残虐性(誘拐された女性の美しさをバラになぞらえた?)をこのシーンで表現したかったのだと思うけど、あまりに作り物感が丸出しで、バラ好きとしては気になって気になって・・・ CGで処理するという手は使えなかったのかな。
ストーリー自体は雑なところもあったけれど、次回につなげる期待感もあってなかなかよかったのに。



【2007.04.28】 TV
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ヒュー・グラント 最高!
ヒュー・グラント&ドリュー・バリモアの「ラブソングができるまで」を観た。ほんとうに楽しい映画。ヒュー・グラントが歌って、踊って、腰降って、ピアノまで弾く。ファンにはもうたまらない映画だ。

'80年代に売れまくった「POP!」という5人組バンドのメンバーで、ダブル・ボーカルを取っていた相棒はその後ソロとして賞を取りまくり、ナイトの称号までもらっているというのに、アレックスは当時のファンを相手に細々と遊園地や同窓会を回って稼いでいるという情けない状態。

なのに、さほど落ち込みもせず、軽い毒舌を吐きながら淡々と日々やり過ごしてるのがいかにもヒュー・グラント的でいいなあ。

初めに出てくるPOP!のPVがもう笑わせてくれる。'80年代にMTVでよく見かけたようなデュラン・デュランやカジャグーグーを思わせるお気楽なPV。ヒュー・グラントが長髪しわ一つ無いメイクで若々しく化けているけれど、体型はもろ中年なのがおかしい。腰振りバンドの元祖という設定で、やたら腰を振るヒューが妙にセクシー。

コーラという若い超売れっ子ボーカリストから曲を頼まれる。アレックスのファンになったきっかけが、「7歳の時両親が離婚した心の傷を癒してくれたのが、アレックスの歌だった」というのがふるっている。

よくあるハート・ウォーマー的ラブ・ストーリーなんだけど、やさしいメロディ・ラインの歌がふんだん出でてきてじつに楽しい。とくに、コーラのコンサート会場で、アレックスがピアノを弾きながら歌う「DON'T WRITE ME OFF」のメロディが美しい。誤解から別れたソフィー(ドリューバリモア)に捧げた曲だ。

一旦はコンサート会場から立ち去ろうとしたソフィーもそれを聴いてアレックスの心を理解し、舞台の袖にいる彼の腕の中に飛び込んでいく。(ラブ・ストーリーによくあるパターンだけど)

アレックス作曲ソフィー作詞によるコーラの新曲「WAY BACK INTO LOVE (愛に戻る道)」。コーラとアレックスのデュエットがなかなかいい。
全編を通してこの曲のフレーズが何度も現れるから、思わず口ずさんでしまう。男女のペアでカラオケで歌ったら盛り上がりそうだ。

ヒュー・グラントは、歌えない、踊れない、ピアノ弾けない状態から練習を重ねてここまでできるようになったのだというからすごい。「今はコンピュータのおかげで、誰でも歌が上手く聞こえるのさ」とインタビューで答えているが、彼一流のジョークだろう。甘くて説得力のある歌声だ。
ドリュー・バリモアは相変わらず可愛いいけど、少し成熟した憂いがあるのがたまらない。もう一度観に行きたい映画だ。

公式サイトはこちら

【2007.04.25】 Movie/DVD
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バンドが主役=ミュージカル「TOMMY」
16日(金)ミュージカル「TOMMY」のソワレを観た。井上ひでのり演出は、おもちゃ箱をぶちまけたような色彩と映像で、ケン・ラッセルのシュールな映像美に対抗しようと試みているようだ。

アニメーションとフェイクの新聞記事映像を多用して、展開の早いシーンの説明に使ったのはストーリーが分かりやすくなってよかった。
バンドのロック・サウンドもなかなか聴かせてくれて、改めてThe WHOの曲のすごさを感じることが出来た。

なのに、肝心のキャスト達の歌がその音にほとんど乗れていないというアンバランス! 
演技的にこれといって見所があるわけでもなく、いっそのこと、演技は出来なくてもキャストにロック・ミュージシャンを選んだ舞台を観たかった、などと思ってしまった。

今回のキャストは、それぞれの分野では歌が上手い人達なんだろうけれど、ポップス調や、○季風にザ・フーを歌われてもね・・・。その上、第1幕なんか、ROLLYの歌以外、ほとんどバンドの音に負けて歌詞が聴き取れないというお粗末。

そんな中で、さすがにROLLYだけは様になっていた。怪しい教会の司祭や、いとこのケビン、ピンボール・キングなど、楽しそうに演じていた。
上手い歌というのではないのだけれど、やはりロック・ミュージシャンだなと感じさせる。とくに、いとこのケビンのハチャメチャな暴れっ振りがよかった。歌と動きに説得力がある。

あと、アシッド・クイーンのシーンもなかなかよかった。来日版のこのシーンより、歌とダンスがかもし出す怪しいエロさはずっと勝っている。

いのうえ氏は映画版の方に近いと言っていたので、殺されるのはウォーカー大佐かと期待していたのだが、やはりブロードウェイ版のままフランク(ウォーカー夫人の恋人)だった。ブロードウェイ物を演じる制約というものがあるのだろうか。
アンサンブルでは、青山航士のぽん引きが怪しさ満開で面白かった。意外と歌も歌えるのね。

いのうえ演出の舞台を初めて見たのだけれど、意外におとなしいという感じ。'60年代という時代の持つ息苦しさ、インチキ臭さを打ち壊すTOMMYという存在が描き切れていないように思う。
ただ、ラストで、アンサンブルがそれぞれ勝手な方向を向いて歌うシーン、群衆も誰かにすがることを止めて、自分自身で歩き出すことを暗示していて印象的。

【2007.03.17】 Stage
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パワフルな「ドリームガールズ」
「ドリームガールズ」を観た。エディ・マーフィーやジェイミー・フォックスが好きじゃないし、R&Bあるいはソウル系の音楽が苦手という状況で観たのだけれど、なかなか楽しかった。

好みのジャンルでなくても圧倒的な歌唱力で歌われるとけっこう感動する。誰より素晴らしいと思ったのは、好きでないエディ・マーフィー。ロック色の濃いソウルをハイテンションで歌い、客をコメディセンスで自在に操る。常に虚勢を張りながらも時代に置いて行かれる不安から薬に走り、そして自殺という悲しい結末。
ジミーという黒人歌手の栄光と挫折を滑稽なほどのの存在感で描き出したエディ・マーフィーにはアカデミー賞助演男優賞を上げたかったな。

話題のジェニファー・ハドソン演じるエフィーはもうパワーの固まりのような声。高音部が割となめらかに出ないように思ったので、それほどすごい歌手とは思わなかったが、演技的にはなかなかのものだった。

ずっと「ドリームメッツ」のリードボーカルを取っていたのに、時代が彼女のパワフルな声を望まなくなったことが何時までも理解できず、自我を押し通す前半。
そして、恋人のレコード会社社長カーティス(ジェイミー・フォックス)の愛も、メンバーとしての地位も失って、苦労しながら彼の子供を密かに育てる後半。

エフィーという歌唱力は素晴らしいけど、これも時代に合わなくなった歌手の転落と孤独、歌だけを力として生き抜いていく姿を、声と同様メリハリの効いた演技でじっくり見せる。

ビヨンセ演じるディーナは初めバックコーラスの一員だった時は驚くほど地味な存在だった。しかし時代はテレビの時代。視聴者はエフィーのパワフルな声より、ディーナの容姿や彼女の情緒的な声の方を求めていると感じたカーティスの指示で、リードボーカルを取るようになってからはどんどん美しくなり存在感もすごくなっていく。

そして、今や「ザ・ドリームズ」と名を改めたグループはヒットに次ぐヒットで世界的な存在になる。
しかし欲望はとどまることを知らず、成功と引き替えに失うものもどんどん肥大していった。というバック・ステージ物の常道を行くストーリーではあるが、'60年代の黒人の置かれていた音楽界の状況や、白人社会に彼らの音楽を認知させるに至る苦労や策略なども丁寧に描かれ、ストーリーに深みを与えている。

面白かったのは、エフィーが兄C.Cの作曲した「ONE NIGHT ONLY」のソウルフルな歌でヒットチャートにやっと躍り出ることが出来たのに、カーティスがそれを横取りして、「ザ・ドリームズ」にディスコ調で歌わせる。そして大ヒット。でも、こちらの方は何とも薄っぺらな感じがするのが皮肉だった。
(この曲、映画館を出てもずーっと私にくっ着いてきた)

嬉しかったのは、私の好きだったFOXのテレビドラマ「ボストン・パブリック」の出演者2人が重要な役で出ていること。エフィーの代わりに「ザ・ドリームズ」に入るミッシェル役のシャロン・リールは音楽教師マリリンだし、ジミーの死を悼んで歌うディーバ役ロレッタ・ディヴィンはドラマのマーラではないか。(現在FOXチャンネルで再放送中)
彼女はブロードウェイの舞台では「ザ・ドリームズ」のもう一人、ローレル役をやっていたなんて知らなかった。

映画の歌の印象が強烈だったので、1981年ブロードウェイ舞台版のオリジナル・キャストの歌を試聴してみたのだが、同じ歌が何か古くさい感じに聞こえる。映画ではアレンジがかなり現代的になっているせいかな。

【2007.03.11】 Movie/DVD
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幕が下りた「The Producers」
大分遅きに失した感はあるけれど、10日ほどの前の記事で、ブロードウェイ・ミュージカル「The Producers」の舞台がついに2月22日閉幕したというニュースを見つけた。(ここです。)

6年間のロングランはすごい! メル・ブルックスが関係者に対して感謝の気持ちを述べているのと、仲良くビールを手にしているマシュー・ブロデリックとネイサン・レインの写真が嬉しい。(これ何の写真だろう)

「The Producers」はついに観に行くことが出来なかったけれど、秋には開演されるという「Young Frankenstein」だけはどうしても観に行きたいな。

ジェームズ・フランコ来日
「スパイダーマン3」の公開に先駆けて、トビー・マグワイアとジェームズ・フランコが来日したとyahooニュースにあった。アメリカより早く5月1日から日本公開。2人のバトルが楽しみだ。

「トリスタンとイゾルデ」のDVDも早く発売してくださいよ。

【2007.03.02】 Movie/DVD
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もう一度別のキャストで「ブルックリン」
「BKLYN The Musical」を観た。日本の既成のグランド・ミュージカルとはちょっと毛色の違ったところを期待したのだが、そういう点では新しい視点に満ちたいい舞台だった。
先ず曲が素晴らしいものばかり。R&Bあり、ソウルあり、ロックありとバラエティに富み、出演者のほとんどがそれに応えた歌唱力だった。

ただ、既成のミュージカルの分野で活躍している出演者がそのまま大舞台の雰囲気を持ち込んだ演技だったり、自己主張が強すぎてハモリが悪いといった弊害もあったと思う。
開幕早々の「Heart Behind These Hands」なんかバラバラ感が強くて、先が思いやられるとさえ思ってしまった。

ストーリーはかなりベタだ。5人のストリート・パフォーマーが演じるブルックリンという少女(判都美子)の父親探しの物語。
少女は父親譲りの音楽の才能でスターになったが、未だ見ぬ父親(石井一孝)が残した未完の子守歌だけを頼りにパリからアメリカに渡り、父親の出身地と聞かされたブルックリンで彼を捜す。
そして、ショウビスの女王の座をかけてパラダイス(マルシア)という歌手と歌合戦をする羽目になる。

父親はブルックリンの母親(シルビア・グラブ)を深く愛していたが、ベトナム戦争で子持ちの母親を殺してしまった罪悪感から、ドラッグ・ジャンキーになってしまい、ホームレス同様の日々。
結末は、「ブルックリンは歌合戦で負けてただの女の子に舞い戻ったけれど、父親の愛を取り戻し幸せになりましたとさ」というお話。

この他に出演者は狂言回し的なストリートシンガー(今井清隆)だけ。この5人が演技者になったり裏方になり様々な役割を担って舞台は進行していく。このチープ感が面白いところでもあり、出演者の力量が問われる点でもあるのだが、その点もなかなか良かったのではないか。

舞台装置と衣装もすばらしい。ほとんどホームレスに近いパフォーマー達だから、衣装はそこら辺にある物の廃物利用という設定。黒いゴミ袋の下地にペットボトルをいっぱいぶら下げたパラダイスの衣装や、「I LOVE N.Y」ロゴマーク入りのビニール袋で作ったブルックリンの衣装などたくさん。ブロードウェイ版を少しアレンジしたそうだが、ポップできれいで楽しい。

ただ、一言言いたいのはブルックリンのミスキャスト。いろいろ斬新なミュージカルなのに、舞台にのめり込めず最後までカタルシスを感じられなかったのは、ブルックリン役に問題があるからだと思う。
私はJポップに詳しくなくてこの人のことを知らなかったのだが、ミュージカルの発声に慣れない上滑りの歌に先ずがっかりしたし、演技の棒状態には戸惑ってしまった。

今回のキャストに限定したらマルシアのパラダイス、シルビアのブルックリン(10代の役を年相応の年齢のキャストでやらなければならないという発想が先ずおかしい)でもう一度観たいな。そしてこの作品は大劇場でなく出演者と観客が一体になれる小さな劇場こそふさわしいと思った。

【2007.02.26】 Stage
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ドラマ雑感
「HOUSE」の再放送ももう第5話になった。エピソードの途中から録画し初めて編集したのを4話ずつDVDに焼いているが、その作業もあと3話で完了だ。
今週のエピソード「疑惑」。初めに修道女がハウスに診てもらった時、「銅の鍋を寄贈されて・・・」と言っているのに、銅アレルギーとピント来ないハウス先生はいつもの彼らしくないな。

修道女の体内のスキャンで、白くはっきり写っていた避妊具が十字架の形をしていたのが印象的。こういう描写がすごくうまいな。

キャメロンは前回辺りからハウスのことが気になりだしたみたい。彼女のあの熱い激しいまなざしで見つめられたら、チェイスさん(ジェシー・スペンサー)ならずともクラクラ来ますね。
チェイスはこの頃はかなり純粋ですてきな青年医師だったのに、後半ではちょっとブラックになってしまったのはなぜ?ハウスがいじめすぎたせいか。

話は変わるが、FOX CRIMEで始まった「Law & Order」。アメリカで8年間ロングヒットを記録している大人気サスペンスドラマというから見始めたけれど、たいしたことないんですけど。犯罪者や捜査員達の人間の描き方が余り深くないように思う。もっと見続ければ面白くなるのかしら。

【2007.02.23】 その他
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スロップシンクが無い
今住んでいるマンションの、最上階に我が家だけ1戸という環境はとても気に入っているのだけれど、引っ越ししてから致命的な欠陥に気がついた。バルコニーにスロップシンクが無いことである。不動産関係の友人はぜったい設計時に忘れたんだと言っているけれど、そんなことがあるのかな。

とにかく水やりの大変さといったらなかった。散水ホースの先端がキッチンの水道の蛇口に合うものが何処のホームセンターにもない。3ヶ月ほどは大きなバケツと10リットル入りのじょうろを交互にキッチンから運んで水やりしていたが、真夏ともなるとそれが1日2回。もう限界だった。

たまたま以前から我が家に出入りしていた建築屋さんに話すと水道屋さんを連れて様子を見に来てくれた。
結局は画像のような水道の蛇口を増設し、それに洗濯機の延長ホースを接続して散水ホースにつなぐということで解決した。
蛇口 増設した水道蛇口

ホース このコネクター(洗濯機ホースのと同じもの)を蛇口につなぐ

ホース1 もう一方は散水ホースにつなぐ

工事代金は材料込みで8500円だった。
おかげで以前の様にいつでも水まきが出来るようになった。それなのに、水やりをさぼって鉢植えを枯らしてしまう私って。反省反省。


【2007.02.20】 その他
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古土リサイクル
今日は暖かだったので、残りの園芸作業をやった。土曜日に買ってきた苗の植え付けと、まだ残っていた花木の剪定や植え替え、肥料やりなど。

先日植え替えたバラやクレマチスの古土が40リットルゴミ袋3個になった。
古土の処理はマンションに住む者にとっては悩みの種。戸建に住んでいた時のように庭の隅にポイッと捨てるというわけにいかない。そこでつい植え替えをおろそかにして花が咲かないという結果になってしまう。

再生して使うしかないのだけれど、真夏の強烈な太陽に広げて晒すとか、零度以下になる真冬に土を凍らせて細菌も虫も死滅させるとか、皆んな色々試みているようだけど、どれも効果はいまいちらしい。蒸気で蒸すのが一番完全らしいが、そんな設備もない。

私が以前からやっているのは、2重にしたゴミ袋に古土(ふるいにかけて根やゴミは取り除いておく)を4分の1位入れ、そこにオーソサイド80水溶液を500倍くらいに希釈して水に溶かしじょうろで撒く。すぐに袋の口を閉じ(ガスが発生するので危険)、まんべんなく回るように袋をゆすって20日ほど寝かせる。間に1回天地を返す。

この土に腐葉土や苦土石灰などをすきこんで、また1ヶ月ほど熟成させてから使うという方法である。本当に細菌が死んだかどうかはわからないが、バラやクレマチスは根腐病が怖いので他の植物の植え替えに使っている。
古土
こうやってゴミ袋の中で古土くんは再生の日を待っている。

天気が良かったら明日は冬仕事の最後の仕上げ、消毒作業。これが大事な仕事なんだけどいつも手抜きして秋に泣く羽目になる。

【2007.02.19】 その他
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いのうえ版TOMMY特番
eプラスから昨日夜中にTOMMY特番をやるというメールが来たので録画しておいた。
10分足らずの番組だったが、内容が依然としていまいちつかめない。いのうえ版だからロック色濃厚なノリノリのTOMMYを期待しているのだけれど。
いのうえ氏は「ロックコンサートのようなミュージカル」と言っていたが、「ヘドウィグ」みたいな感じになるのかな。TOMMY役自体はロック色希薄な歌い方のように思ったけれど。

「客席全体がピンボールの会場」って、なんか一部だけが盛り上がりそう。
TOMMYママはコスチュームやメイクから見ると、ミュージカルより映画のアン=マーグレットに近い感じで行くのかな。「歌を聴いてください」というのは自信かギャグか。

フランク役はハク・トンハ? この人は一度舞台を見ている。フランクとは正反対のキャラが今まで多かったように思うけれど、どんなフランクを見せてくれるかな。
ROLLYのあのコスチュームはどう見てもいとこのケヴィン。じゃあ、悪いアーニーおじさんは誰がやるのか。

まあ、すごいとか、若き天才というキャプションだけではなんだかよく分からない特番であった。



【2007.02.18】 Stage
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美術館はしご
友人に誘われて原宿の太田記念美術館で開かれている「ギメ東洋美術館所蔵浮世絵名品展」を観てきた。(2月25日まで。その後 大阪市立美術館で4月10日〜5月27日まで開催)
浮世絵にはそれほど興味はないけど、北斎だけはかなり好き。普通の浮世絵にはあまりないあの一瞬の動きを捕らえた描写が好きだ。

私は知らなかったのだけど、今回の展覧会の目玉は、太田記念美術館にある葛飾北斎の虎絵と対をなす龍の絵が最近ギメ美術館に寄贈されて、100年振りに一緒に展示されるというところ。
そのせいで、小さな美術館は鑑賞者でふくれあがっていた。
竜虎

入り口を入って初っぱなこの作品が展示してある。掛け軸状になっていて畳に座って鑑賞できる。私は虎絵も実物は初めて見たが、花の咲いた岩陰から身をくねらせて躍り出そうとする虎の姿態のユニークさに先ず目を奪われた。

こういう描き方の虎絵って、日本画では見たことがないような気がする。勇猛なようなちょっとユウモラスな様な姿がやや明るい茶色で描かれている。

それに引き替え、龍図は水墨画のようなモノトーンのコントラストのはっきりした色で、天翔る様が恐ろしいほどのすごい迫力。こうして二つの絵が並ぶと、北斎の天才的な力量をまざまざと見せつけられた感じ。やっぱり北斎はすごい。

後は浮世絵の歴史をたどるように有名無名の作品が展示されていたが、肉筆画が殆どなので細部まで楽しめた。写楽に関しては大首と言える作品は1点ほどでちょっと物足りない。
印象に残ったのはやはり北斎で、「海老図扇面」が素晴らしかった。扇の形を念頭に置いたデザイン性(余白の取り方、色の対比等)、何よりもそのスピード感あふれる筆致、一気に描いたひげの線がすごく印象的。

駅近くの日本料理店で遅いランチを取った後、友人と別れ、次は竹橋の東京国立近代美術館へ。「柳宗理 生活の中のデザイン」展(3月4日まで)が目的だ。
柳宗理は、バタフライ・チェアーの作者として有名だが、工業デザインというものが確立した戦後における先駆的存在のデザイナーだ。

私はとくに食器と椅子が好きなのだけど、父上の柳宗悦譲りの「用の美」に徹したデザインは今も少しも色あせない。ステンレス製のソースパンなども金属の持つシャープさの中に何ともいえない暖かさがある。2000年代の最近の作品ですらそれを感じるのは、形が正円で無いせいだろうか。

和食器のデザインもいくつかあったけれど、父上の愛した苗代川焼を思わせるようなやきもので緑と黄色の書き分けが大胆。こういう色彩は私は余り好きじゃないけど。
残念なのは展示作品が思ったより少なかったことかな。
帰り際、常設展示の私の好きな靉光(あいみつ)の「眼のある風景」をじっくり見てから美術館を出た。3/30〜5/27まで生誕100年記念展がこの美術館で開かれるということだ。楽しみだな。


【2007.02.16】 ART
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BS2「「ゴールデングローブ賞授賞式」
昨日、BS2で「第64回ゴールデングローブ賞授賞式のすべて」を放送した。この授賞式はテレビ部門もあるから、いつも見ているおなじみ俳優の素顔を見られるのが嬉しい。
「デスパレートな妻たち」は作品賞にノミネートされていて惜しくも賞は逃したが、いつもの面々がかなり写った。エヴァ・ロンゴリア(ガブリエル)とフェリシティ・ハフマン(リネット)はプレゼンターで出ていたし、他の女優もニコニコ楽しそう。イーディの素顔はかなり美しいのね。最新作の一部がスクリーンに映し出されたが、ブリーがウェディングドレス。誰と結婚するんだろう。アル中から脱却できたのかな。

「デスパレート」といえば、たまたまスカパー!のEPGを見ていてSuper! drama TV で「ゴールデン・グローブカーペット」というのをやっているのを見つけ、あわててチャンネルを合わせたら、ちょうどジェームズ・デントン(マイク役)のインタビューだった。彼自身は賞には関係ないが、フェリシティ達を応援しに来たと言っていた。正装の彼はすごくスタイリッシュでかっこいい。「デスパレート」の中で唯一わたし的いい男。今週の放送ではまだスーザンを愛してるようだったな。私生活では5歳の子供が居て世話しなくちゃならないから早く帰ると言っていた。

トロフィーを二つも取ったヘレン・ミレン。ずっと以前ミステリ・チャンネルで放送していた「第1容疑者」は好きなドラマだった。男社会の警察の中で女の上司というハンディにボロボロになりながら事件を解決していくジェーン。ヘレン・ミレンの冷徹な演技が今も印象に残る。

「レッド・カーペット」のインタビューでは、イギリス人のスピーチはアメリカ人の様にかっこよくないと言っていたが、イギリス人のちょっとひねったスピーチが好きだ。我らがヒュー・ローリーのも「ノミネートされるとプレゼントが続々届くが、スピーチの原稿だけはなかった」などとユーモアたっぷり。

「レッド・カーペット」でジェニファー・モリソン(キャメロン)とジェシー・スペンサー(チェイス)のカプルが捕まっていたけど、この2人婚約したってニュースを読んだことがあった。チェイスはドラマよりもずっとシャープな顔だ。エッフェル塔でのプロポーズの話が面白かった。

ヒュー・グラントの寝起きみたいな顔も見られたし、セシル・B・デミル賞のウォーレン・ビーティ(ビッティ)を紹介するトム・ハンクスの長〜いコメントも面白かった。

今年の目玉はなんといっても、ミュージカル・コメディ部門の作品賞、主演・助演賞を総なめにした「ドリーム・ガールズ」だろう。ソウル・ミュージックは苦手だけど、ミュージカル好きとしては一度は観ておかなくては。

【2007.02.05】 その他
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「TOMMY」番宣
夜中に何気なく付けたテレビで、いのうえ版「TOMMY」の番宣をやっていた。
いのうえ氏が「See Me Feel Me」を歌えるのは彼しか居ないと思って、TOMMY役に中川晃教を選んだと言っていた。
この歌はTOMMYの「自分を分かって!」という少年のままの必死の思いが込められているから、大人であっても透明感のある声が必要だ。

その点、中川の声は張りと透明感があってなかなか期待できる。ただ、先日eプラスメールにあった中川のデモを聞いた時も感じたのだが、かなり癖のある歌い方をするように思った。でも、とりあえず一安心。

「ピンボールの魔術師」は中川が歌うの変じゃない?アルバムではロジャー・ダルトリーが歌ってるからトミーに歌わせるのか。まあ、エルトン・ジョン的歌唱力と存在の舞台人はなかなか居ないからねぇ。来日版のも迫力無かったなあ。
ローリーが30年ぶりに念願が叶ったと言っていたのがほほえましかった。

ケン・ラッセルのめくるめく映像美とロジャーの声にしびれている私としては、(もちろんTHE WHOは聴いているけど) いのうえ氏の演出ということで、今回の舞台にはかなり期待している。
チケットは一般発売からかなり経って近所のぴあで取ったけれど、信じられないほどいい席だった。新幹線+中川だというのに・・・。
何回も通うことになるようないい舞台でありますように。


【2007.01.28】 TV
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「HOUSE」再放送
今週の火曜日から「HOUSE」の再放送が始まった。シリーズ前半は録画しなかったので第1回からの再放送はありがたい。録画しないとけっこう内容もうろ覚えになる。

ハウスは最後の方の回より小ぎれいかな。カッデイ医師、この頃は露出少なめの服装だったのね。何時頃から胸を強調したくなったのかしら。
ハウス先生、診察嫌いの割には何人も診察させられていたな。オレンジの人に対する洞察力はすごい。結局エンゲージリングを外していたから、ハウスの嫌みな指示に従って妻の浮気の現場を押さえ、離婚に持ち込んだということか。カッディの「バカですけど優秀な医師です」と言うのには笑った。

今回の患者は幼稚園の女性教師レベッカ。初めは脳血管炎と診断されてステロイドでいったんは良くなるがすぐに危篤に陥る。フォアマンはキャメロンと一緒にレベッカの家を調べに行き冷蔵庫のハムを見つけて食べる。(このスタッフ、患者の家に行くと必ず無断でいただいちゃうけれど、道義的にいいのかしら)

レベッカは、チェイス医師がいとこだといってハウスに治療を依頼した患者だが、フォアマンは彼女はハムを食べるからユダヤ人じゃない、だからチェイスのいとこだというのは嘘だと言う。(チェイスはユダヤ人ということ?)
そこでいつものハウスの鋭い勘が働く。長年ハムを食べ続けたことで豚肉に寄生していた有鈎条虫が彼女の腸管の中に卵を産み、その卵が血液中に入り神経まで冒したものだという。

ちょっとWebで調べてみたら、ハウスの言ったとおりで、神経系に寄生すると神経有鈎のう虫症と呼ばれ、死に至ることもあるという。中国の一部、中南米、アフリカなどに多いそうだが、アメリカにもあるのか。生ハムだったのかしら。日本ではあり得ない病気だ。

もう手遅れ状態で、彼女も静かに死にたいというので治療を打ち切ろうとしたところ、チェイスが珍しく解決策を提案する。ハウスも珍しくチェイスの提案を採用。

ハウスは、治療を拒否し尊厳を持って死にたいというレベッカに対し、尊厳ある死なんて無い。生きろ、と説得する。
彼女はハウスの足がなぜ悪くなったのかをハウスから聞いただけで「あなたは人生に裏切られたと思っている人だわ。それなのに私には戦えと言うの?」と反論するが、鋭いな。ハウスが足の悪いことを知ってからやけにハウスのことを気にしていたけど。チェイスにも「(ハウスは)優しい人?」と聞いていた。
それに対してちょっと迷いながらも「そうだね。彼は優しいよ」というチェイス先生。ハウスの本質を分かっていらっしゃる。

初回でハウスがスタッフをどんな基準で採用したか明かされる。優秀なのに10代の頃の非行が原因でどこの病院でも採用されなかったフォアマンをその非行ゆえに採用したり、キャメロンのような美人なら普通は玉の輿やモデルを希望するのに、医師になろうというのは、心に傷を負っているからと(だから採用した)言うハウス。ハウス自身が屈折しているから心に傷を負った者の気持ちが分かるのか。ねじくれた表現しかできないけど、本質的に彼は優しい人なのだ。

ラストで病院の規則に反することだけど子だくさんということで、と、担任の子供達を病室に入れてやるチェイスとキャメロン。見舞客が全然無かったレベッカに優しい心遣いは和んだ。彼女も孤独だから、孤独そうなハウスが気になっていたのか。

【2007.01.25】 その他
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「スウィニー・トッド」観劇
20日(土)に観た「スウィニー・トッド」夜の部。ブロードウェイも日本初演の舞台も未見だが、ストーリーは知っていたし、YouTubuにはブロードウェイ版の初演も再演もたくさん動画がアップされているから、なんかもう観たことがあるような気さえしていた。

とくにソンドハイムがアクターズ・スタジオで公開した第1幕のトッドがかつての自分の理髪店を訪れ、ミセス・ラヴェットと会話するシーン。復讐のことしか考えていないトッドと彼に恋心を抱くミセス・ラヴェットとの会話のすれ違いを演技指導していたのが面白く、実際の舞台をぜひ観たいものだと思っていた。

市村×大竹の顔合わせは、もうこれ以上のキャストは考えられないほど期待度大。とくに大竹は、こういう下世話な役は手の内。ギリシャ悲劇の何か合っていない演技を観た後だからもう楽しみだった。

宮本亜門は、私の観るところ歌舞伎を大いに意識したのではないかと思う。目の下の黒いいクマはブロードウェイ初演のままだが、白塗りがかなり強調されていて歌舞伎でいう「色悪」を彷彿した。心に鬱積したものを抱いてそれが怨念として表面に出でているメーッキャップ。
また、トッドの仕草に歌舞伎の見栄に似たものがよく見られた。

一番強く感じたのは、カミソリの存在である。
トッドが恨みのある人物ののどを切り裂いていく心情は納得できるが、理髪店に来る普通の客まで次々に殺していくのは、ブラックが強すぎる。だから、あれは、もうトッド自ら望んだ行為というより、銀のカミソリの魔性のようなものに憑依されてしまった結果ではないかと思った。
「伊勢音頭・・・」の福岡貢、「籠釣瓶・・・」の佐野次郎左右衛門のように。
トッドが「人殺しは駄目だよ」と言っているトビー(トバイアス)にカミソリで殺られるのも、こう考えると納得できる。
そういう意味で、産業革命の時代濃厚な舞台装置でありながら、非常に様式美のある舞台だった。

期待通り主役2人の演技は素晴らしく、とくに大竹は良かった。彼女にあるのはトッドへの想いだけ。それが遂げられるなら毒も皿も食らってしまおうという我執に、男を思うかわいらしさも見えて申し分ない。
ただ、マフラーまで編んでやるほどかわいがっているトビーが、2人の悪事を知っていると気付いた時、殺すことだけを発想する過程でもう少し迷いがあっても良かったのではと思う。

想像していた以上に良かったのがジョアンナとトバイアスだ。
第1幕ジョアンナがバルコニーに登場してセリフから歌へと移行するのを聞いた時、それまでミセス・ラヴェットのとんでもない歌を聴かされていた耳にはとても新鮮だった。
ソンドハイムのセリフと歌の基本を一番体現しているのが彼女ではないかとさえ思った。少しビブラートがかかりすぎているような感じはしたが、すごく自然だった。(ミセス・ラヴェットの歌は、その後キャラがよく見えてからはあまり気にならなくなったが)

トバイアスはちょっと頭の弱いキャラという役をやり過ぎずとても自然に演じていた。足を引きずるぎくしゃくした動きや、指をいつも神経質に絡めている仕草にトバイアスの落ち着きのない気質が良く現れている。セリフから歌への流れもとても自然。
欲望と恐怖に満ちたストーリーの中で、清らかで、清涼剤のような癒しを醸し出すトバイアス。それにしても、変なメイクにも少しもダメージを受けない美貌にはやられた。

アンソニーは芸達者な出演者の中にあってちょっと気の毒な感じ。セリフも動きも歌ももう少し何とかならないものか。

第2幕は後半がややだれる感じがしたが、一気にカタストロフィーへなだれ込むラストはいい。
最愛の妻が生きていたのなら、トッドはこうまで復讐のためだけに生きなくても良かったのに。ワルツを踊りながら釜の中にミセス・ラヴェットを放り込むトッドの優雅な絶望と怒り。ミュージカルだねえ。
【2007.01.23】 Stage
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ゴールデン・グローブ賞受賞
BSオンラインに 「第64回ゴールデングローブ賞授賞式のすべて」を 2月3日(土) 後8:00〜10:30に放送するとあった。既に録画予約してあるけれど、本国時間では1月15日(火)ということなので、ググってみた。
このサイトで受賞者のコメントが動画で見られるが、下の方にヒュー・ローリーのもある。
"Best Performance by an Actor In A Television Series - Drama" とあるから、テレビドラマ部門の最優秀主演男優賞か。たしか2年続けての受賞だと思う。
すごいね、われらがドクター・ハウスは。インタビューの内容は、ハウスの性格とかについて言ってるみたいだったけれど、ヒアリングは弱いのでほとんど分からない。2月3日の放送が俄然楽しみになってきた。

【2007.01.16】 その他
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「エッシャー展」を見た
1月13日で終わってしまったけれど、その前にbunkamuraザ・ミュージアムで「スーパーエッシャー展」を見た。
平日の昼頃なのにものすごい混みようで、チケット売り場が20〜30分待ち。会場も入り口の所なんか身動き取れないほどだった。
若い人が多いのはエッシャーの作品がCGアートを先取りしているといわれているから納得だが、その若い人たちの多くが貸し出しの端末で作品を確認することに専心していて、実作品をろくに見ていないのが気になった。
まあARTの見方なんて決まりがある訳じゃないから、大きなお世話かもしれないが、言い合わせたような行動が少し心配になった次第。

CGアートの発展と共にそれを担うアーチストの間でエッシャーが「未来志向の作家」として高く評価されるようになった。彼のことを「スーパーエッシャー」と呼ぶのだそうだ。
(私が割と最近まで、エッシャーというと「だまし絵」の作家と思っていたのは大きな声では言えないな。)

こうして一堂に会して展示されるのを見るのは初めてで、さすがにその細密で完璧な筆致や見えたものを自由な視点でアレンジする技法には圧倒された。

年代順に展示されているので、スペイン旅行でアルハンブラ宮殿のモザイクタイルを見たことが後の幾何学的な連続文様の制作に多大な影響を与えたことがよく分かる。「平面の正則分割」とか「立体の正則分割」とか難しい題名がついているが、私は幼い頃に好きだった千代紙の文様に似ているなと思った。

男の顔が女性に、魚が鳥に、トカゲがカエルに、天使が悪魔にと全く異質のものが表裏一体になって変化していく構図はいくら見ていても飽きない。

「時には無秩序に見えても、私たちは美しく秩序のある世界に住んでいるのであり、決して無形の混沌の中に住んでいるのではないということを版画の中で証明しようと努めた」というエッシャーの言葉が図録の中に出ていたが、とくに、有名な「昼と夜」を見ると彼の言葉の意味がよく分かる。

昼と夜

「昼と夜」は40×70cmほどの版画だが、黒い鳥が昼に、白い鳥が夜の世界に向かって飛んでいく。そして、最初に鳥として発生する1羽は下界の畑の1区画から変化していくのだ。
天と地が、夜と昼が、自然と人工の風景が調和を持って世界を形成している。

だまし絵として有名な作品郡は、自分が如何にものを正しく見ていないかということをエッシャーに試されているようだった。

【2007.01.15】 ART
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映画「ヘンダーソン婦人の贈り物」
bunkamuraル・シネマで「ヘンダーソン婦人の贈り物」を観た。(公式サイト
東京では此所でしかやっていないし、ほとんど評判も聞こえてこないけど、私は公式サイトで予告を見た時からかなり楽しみにしていた。
第2次世界大戦中ロンドン爆撃のさなかもミュージカルを公演し続けた劇場オーナーの財産家の老婦人。実話だそうだけど、ふんだんに舞台シーンもありそうなのが、興味をそそられた。

実際に見た感じは、あまり心に響いてこないということかな。
実業家の夫に先立たれて残されたのは莫大な財産。夫婦でインドに滞在し刺激的な生活を送った身には刺繍も宝石も性に合わない。たまたまつぶれて売りに出されている劇場の傍を通ってひらめいた。劇場を経営するのは面白そうだと。

ここから彼女の劇場オーナーとしての奮闘が始まる。一目で気に入って契約した優秀な演出家のアイデアでミュージカルを上演、評判になって大入りになるが、他の劇場も真似したため客入りがばたっと落ちる。
苦肉の策で次に始めたのがヌードショウ。1930年代のイギリスではヌードは御法度の所、友人の政府高官に掛け合って動かない芸術作品として上演する。

これがまたまた大評判。戦線に向かう若い兵士の慰めとしても大きく貢献する。ドイツ軍によるロンドン爆撃が激しくなっても劇場は地下にあって安全。ただ、出待ちする人が劇場前に集まるため爆撃のターゲットになることを恐れた政府から劇場閉鎖の命令が下る。未亡人は劇場の前に集まった大勢の兵士を前にして演説をぶつ。

自分の息子は第1次大戦で二十歳で戦死したけれど、何も楽しいことをしないで死んでしまった。それが母親としてすごく心残り。だから今、戦場に向かう兵士達には夢を与えてやりたい。なんとしても劇場は続ける、と。
兵士達は大いに賛同し、取り締まりに来た政府高官も感動。

婦人は看板女優に惚れて通ってくる息子と同い年の兵士に彼女をを取り持つことさえする。そのあげく女優は妊娠し、捨てられる。そして、女優を辞め劇場を出たところで爆撃にやられて死ぬ。

ストーリーはこんな感じだけれど、なんか婦人の劇場経営の情熱がピュアなものとして伝わってこない。動機が不純でもいいのだけれど、たとえば兵士に夢を与えたいというモチベーションも、娼館の主の弁明みたいで、感動出来ない。彼女のエゴが昇華されて普遍的な情熱として感じることが出来ないのだ。


コメディとして所々に面白いシーンがあることはあるが。ただ、ジュディ・デンチ演じるヘンダーソン婦人のパワーだけには圧倒された。悪趣味な服装で強引で駆け引き上手。こんな老婦人像はそこらに居そうだ。ただ大金持ちじゃないだけで・・・。

ミュージカルの舞台は、1930年代だからちゃんとしたストーリーがある訳じゃなく、歌に合わせてダンスするだけ。大したダンスはないし、ヌード上演になってからは、動かない裸の女性が肖像画のようにポーズするだけ。(薄いカーテンを通して見る女性達は芸術作品のようと言えないこともないけれど)
R指定のせいか男性・女性のまるまるヌード・シーンがわりとある。

【2007.01.13】 Movie/DVD
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ジュディ・ガーランドの「美人劇場」
シアター・テレビジョン今月のジュディ・ガーランド特集は「美人劇場」。1940年の作品で、「ジーグフェルド・フォリーズ」のガールズに選ばれた3人の美女の運命がメロドラマ風に描かれている。

クラシックのバイオリニストを夫に持つサンドラ、運転手のボーイフレンドを振って金持ちの男に走るシーラ、そして場末の劇場で父親とボードビルを演じていたところをスカウトされたスーザンだ。

サンドラを演じているヘディ・ラマーのノーブルな美しさや、シーラ役のラナ・ターナーの官能美は驚異的だ。スーザンを我らがジュディ・ガーランドが演じているのだが、彼女が2人の美しさ故に出演をいやがったというのも ( シアター・テレビジョンの解説に出ていた ) うなずけるほど。

でも、ジュディは十分可愛くて、2人とは違う魅力がある。サンドラはレビューに出演することをいやがる夫と別れるが、ラストはハーピーエンド。シーラはボーイフレンドが忘れられず、それが原因で金持ち男から捨てられる。そして、酒に溺れ、スーターの座を降ろされて、心臓病で死んでいく。

「ジーグフェルド・フォリーズ」の舞台は、映画「巨星ジーグフェルド」や「ブロードウェイの100年」の中でふんだんに見られるが、よくあれだけ大勢の美女を揃えられたものだと思う。まあ、ただ薄物を着てしゃなりしゃなり歩くだけの役だから、芸などは要らないのかもしれないが。

ジュディの役は彼女達とは違って、ミュージカル女優としてちゃんと歌って踊る。あの有名な、螺旋階段を美女たちで埋め尽くされた巨大なウェディング・ケーキのような舞台も出てくるが、そのてっぺんの人形役がジュディ演じるスーザン。最初の花形スター シーラが去り、次のスター サンドラがレビューになじまず夫の元へ戻り、才能のあるスーザンはしっかりスターの座を占め続ける。

「ジーグフェルド・ガールズ」として華やかなのはほんの5〜6年よ。と言う引退した先輩のセリフがあるが、華やかなようで美人というだけではなかなか大変な世界のようだ。
でも当時、一世を風靡したという、「ジーグフェルド・フォリーズ」、観客はよく飽きなかったなと思うが、現在のグラビアアイドルが次から次へと現れて、男性の目を楽しませ続けるようなものかな。

シーラのボーイフレンド役で若き日のジェームス・スチュアートが出ているが、相変わらずダイ○ンだなあ。


【2007.01.07】 Movie/DVD
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「ハイスクール・ミュージカル」と「学園天国」
このお正月、二つの学園物青春映画をテレビで見た。NHK総合でやった「ハイスクール・ミュージカル」とムービー・プラスの「学園天国」だ。
「ハイスクール・・・」はサントラがアメリカでバカ売れしたと聞いたことがあるが、なるほどノリがよくてすぐ覚えてしまうような曲揃い。バスケット部のキャプテンと数学の天才的少女がミュージカルに目覚めてしまうという発想が面白かった。(人前で歌う楽しさを知ったという方が正しいけど)

この二人には敵役ともいうべき演劇部に所属するスター姉弟が居て、これがすごく歌もダンスもパンチが効いていて上手い。(ちょっと高校生の域を超えてフェロモン出し過ぎだけど)
この二人の邪魔立てで、バスケットの試合と数学の対抗試合とミュージカルの主役を決める二次審査が同じ日に重なってしまうのだが、そこは仲間の協力を得てすべてセーフ。バスケットも、数学の対抗試合も勝ち、ミュージカルも主役の座を射止める。

二つのカップルの歌とダンスはどう見ても姉弟の方が上手いと思うのだけど、バスケットの仲間や数学コンテストの仲間たち大勢が観客として応援してくれた方に軍配は上がったわけだ。

ラストで体育館を埋め尽くしてのダンスシーンは圧巻。主役4人だけでなくみんな上手い。こんな若い子だけを見てもやはり向こうのレベルは高いなと感心させられる。ヒップホップからバラードまでいい曲揃いで、健康的で、なかなか楽しいミュージカルではあった。

おまけとして出演者によるダンスのレッスンがついているので、この部分だけ録画を残しておいた。これからしばらくの間、ダイエットのためにこのレッスンを利用させていただくつもり

「学園天国」はジェームズ・フランコが出ている。この作品は以前見たことがあるような気がするのだけれど、まあよくあるベタな青春物のストーリーだからそんな気がするのかもしれない。
主人公のオタクっぽい高校生ライアンが思いを寄せているのは男子生徒憧れのイケイケ美人。彼女のいとこでプレイボーイのクリスが今ねらっているのはライアンの幼なじみで品行方正学力優秀なマギー。
クリスの提案でお互い情報交換して首尾良く想う相手をゲットしようということになり、成功するが、想う相手は究極の性格ブス。本当に愛していたのは幼なじみだったというオチ。

ひねりも何もなく、ただ若者のおバカ満載の映画。でもけっこう楽しい。プレイボーイのクリスをやっているのがジェームズ・フランコ。頭は空っぽのくせに女の扱いだけは上手い高校生でいやな奴なんだけど、例の茫漠としたたたずまいで演じているからなんとなく憎めない。

フロムの後、いよいよマギーとベッド・インというシーンでTバックのほとんど全裸という入れ込み方も笑えるが、その姿でマギーに両手両足をベッドに縛り付けられ、「人に遊ばれる気持ちを知りなさい」と置いてきぼり食って、集まった女生徒に体中落書きされるなんていうのもバカッ振りの極み。
泥にまみれ切ないほどの痛みを演じきった「SONNY」や「容疑者」でのジェームズ・フランコの面影は皆無だが、やはりいい味してる。

ライアンを演じているシェーン・ウェストが清々しい。彼よりもっと最低なオタクといつもつるんでいるが、アコーデオンが好きというのも今風でないところ。友情に厚く家族思いでやさしい。

シラノがお馬鹿なクリスチャンに口移しでロクサーヌへの愛を告白させるように、クリスの背後からマギーをほめるセリフを教えるシーンがなかなかいい。
自分のセリフでマギーへの愛に気付き、クリスがマギーとただやりたいだけということを知ってからは、マギーをクリスの手から救うことだけしか考えないで猪突猛進。バカな行動はいつの時代も若者の特権だ。
【2007.01.05】 TV
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踊らないアステア
フレッド・アステアの出演映画の中で、「渚にて」(1959年)と「タワーリング・インフェルノ」(1975年)は演技者として新境地を開いた作品として評価されているが、全然踊っていない彼を積極的に見たいと思うほどではなかった。

ここのところちょっと暇ができたので、改めて見てみようという気になり、この2枚をレンタルしてきた。(ミュージカル映画ならすぐ購入するのに、アステア作品をレンタルですます気か!)
「渚にて」は60歳、「タワーリング・インフェルノ」は75歳の時の作品で、両作品ともアステアのシブイ演技が光る。

「渚にて」は、第3次世界大戦の核戦争で終末を迎えた世界の物語。北半球はすでに放射能によってすべてのものが死に絶え、南半球も刻々と終末が迫っているが、核戦争のシーンやパニック状態に陥った群衆は出てこない。
メルボルンでの子供が生まれたばかりの若い夫婦、アメリカの原子力潜水艦の艦長とオーストラリア女性とのラブロマンスを通して、終末の日々が淡々と描かれている。

死に絶えて誰もいないはずのサンディエゴから発せられているモールス信号が、カーテンのひもに引っかかったコーラの瓶が風に揺れてカタカタ信号を送っているものだったというエピソードが悲しい。
潜水艦から見た無人のサンフランシスコ。海には何事もなかったかのように陽光が降り注ぎ、白く光る波頭が美しい。
そして全編を通じてかすかに流れるワルツィング・マチルダのテーマ曲。何しろ静かな映画だ。

ただ、現代の視点で見るとなんかピンと来ない。殉教者のように静かに死を受け入れるられるのなら、世界の終末もさほど悪くないとさえ思えるような作り方だ。
生まれたばかりの赤ん坊にも、新しく生まれた恋にも明日は無いのだという絶望感が、描写が浅いせいかあまり伝わってこない。

アステアは戦争への核利用に批判的だった原子学者。残された最後の日が来る前に大好きな車のレースに出て優勝し、その後排気ガスを引き込んで自殺する。人間の愚かしさ、無力さをシニカルに語るアステアがなかなかいい。

「タワーリング・インフェルノ」はテレビでも何回か放送されていて私も見たことがあるが、炎のすごさと消防隊長のスティーブ・マックィーンがかっこよかったことが印象に残っている。
企業家の利益優先主義や小さな不注意が大惨事に発展していくというパニック映画によくあるパターンだが、人間も結構上手く描かれていてなかなか面白かった。

確かにアステア演じる老詐欺師はいい味を出していた。タキシードをレンタルするほど落ちぶれているのに、この高層ビルに住み、富豪の未亡人をカモにしようとエスコートして各界著名人の集まる完成披露パーティに出席する。
彼女とダンスするシーンに往年のアステアがかいまみられる。

未亡人は詐欺師の魂胆を知りながら彼に惹かれる。彼もまたワルに徹し切れずに未亡人に心惹かれる。そして大惨事の中お互いの心を打ち明ける。未亡人は先に展望エレベーターで脱出。最後までタワーに残されて九死に一生を得た詐欺師は彼女が無事だと思って探し続けるが、未亡人は爆風に巻かれてエレベーターから転落死していた。

彼女の名前を呼びながら救護所をさまようアステアの老いた姿が痛々しい。
落ちぶれながらも洗練された身のこなし、ワルに徹し切れない人間としての品性、そんな自分に対する自嘲等々、役としてはわりと地味だけれど、アステアはすばらしい。この役でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされているのもなるほどと思える。

「結婚できない男」再放送
今日からフジテレビで「結婚できない男」の再放送が始まった。
本放送の時第1話を見逃してしまったので、やっと見ることができてうれしい。

すぐれたドラマというのは初回から視聴者を惹きつけるものだなあとつくづく思った。登場人物の一人一人を紹介しながら、その人となりもしっかり描かれ、快調なテンポでストーリーが進行していく。あっという間の第1回だった。録画したのを見たら初回は第2回以降より短くなっていたみたいだけど、カットされた箇所があるのかな。

そして、キャストが皆上手い。とくに第1回はみちるという女性像がかなり詳しく描かれていたが、国仲涼子がとてもいい。「ポジテブ・シンキング」をモットーにしながら、自分自身についてはあまり深く考えることなく、他に求めてばっかりいるありがちな女性の雰囲気を、しゃべるときの表情やセリフの言い回しで上手く表現している。

第1回を見て思ったのは、信介は偏屈でありながらけっこういい人なんくだ。文句を言いながらもあんな危ないまねをしてみちるの様子を見に行ったりして・・・。第3回でも管理費を払えないみちるにお金を渡そうとしたりしている。

今日は第3回まで放送されたが、一気に見てしまった。次回が待ち遠しくて夢中になっていた日々を思い出す。
久しぶりに公式サイトへ行ったら、DVDの発売は20日だったんだ。すっかり忘れていた。買う気でいたのに目下金欠状態。当分の間は再放送で我慢しよう。
まとめてヴィスコンティ
BS2で先月ルキノ・ヴィスコンティの特集をやったが、録画しておいたのをやっと全部見終わった。ヴィスコンティの作品みたいに重いのは気力が萎えている時はなかなか見る気がしない。

ごく若い頃に名画座や深夜映画劇場などで見てかなり感動したと思った作品が、いま見るとわりとつまらないという印象だったりして、加齢に伴って見えるものが変わってきているのが面白かった。
たとえば、「夏の嵐」は豪華なだけのメロドラマで退屈だったし、「白夜」の幻想的な恋愛も感情移入できなかった。

「ベニスに死す」の若い美に魅入られた中年男の姿には、いま見ると残酷さより滑稽さを感じてしまった。若い頃は、美しい少年を純粋な美の対象として捉え恍惚と絶望の間で苦悩するこの芸術家の想いがすごく身近なものに感じられた。
私自身、芸術に対する激しい憧れと自分自身の才能とのギャップに常に悩んでいたから、この男性の姿は私自身に重なった。
いま、ダーク・ボガードの姿を滑稽と思えるのは、私が年を取って精神が退化したせいか、年相応にジタバタしなくなったせいか。

その中で、昔も今も感動したのが、「若者のすべて」だ。いわゆるネオ・リアリスモ系の映画が好きで名画座などを探してよく観に行ったものだったが、中でもこの作品のことはよく覚えている。

アラン・ドロン演じるロッコの、兄シモーネに対する純粋愛がもたらす悲劇。娼婦ナディアを深く愛しながらシモーネのために身を引き、それが彼女にも兄にも残酷な結果となってしまう。一見美しくさえ見えて、自己犠牲の持つ傲慢さに気付かないロッコが、ナディアを兄に殺されたと知った時、自分が悪かったんだと絶叫するシーンは胸がえぐられる。

ストーリー的に重要なナディアのレイプ・シーンや、身も凍るような寒さの中でスリップ1枚でナディアがシモーネに殺されるシーンが、NHKのせいかわりとあっさり目に編集されていたように思う。
5人兄弟の個性がそれぞれきめ細かく描かれていていまも少しも色あせない。ナディアを演じるアニー・ジラルドが素晴らしい。
2時間半もあって、モノクロで、初めは見るのが気が重いくらいだったのに、見始めたら一気に見終えてしまった。
再びこの作品に出会えたおかげで、やっと気力が戻ってきた感じがする。
【2006.12.22】 Movie/DVD
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ライザ・ミネリのドキュメント
CSヒストリー・チャンネルで10日(日)〜19日(火)のバイオグラフィー【女性ヴォーカリスト特集】はライザ・ミネリを特集している。
つい先月、舞台で紫吹淳演じる圧倒的なライザを観たばかりだし、このボーカリストには思い入れがある。

前編・後編約1時間半、2004年の放映作品だから、ライザのわりと最近の映像が見られる。でも太りすぎだなあ。
友人のミア・ファロー、ミュージカル「シカゴ」で共演したチタ・リベラ、「キャバレー」の共演者ジョエル・グレイ、などライザをよく知る人達が彼女の人となりを語り、ライザ自身がリハーサルの合間に過去を振り返る形のトークでこのドキュメンタリーは進行していく。

前編は、1972年にテレビで放映された「Liza with a "Z" - A Concert for Television」の映像で始まり(このDVDについてこちらに記事あり)、幼少時代からエンターティナーになるべくレッスンに励んだこと。超有名女優である母親の重圧をいつも感じていたことなどが紹介される。

1964年ジュディと出演したパラディアム・シアターの舞台の成功が、母親の重圧から解放されるきっかけとなる。つまり、ライザがジュディを超えた瞬間でもあるのだが、この時の映像は、歌っているライザにちょっかいを出すジュディの顔に何ともいえないいらだちのようなものが表れていて、面白い。
先日の舞台でも、鳳蘭扮するジュディが、この時のことを「私より最後の音を伸ばそうとするんですからね。」と悔しそうに言うシーンがある。

男運のないライザの最初の夫がシンガー・ソングライターのピーター・アレン。ライザはキュートでセクシーな彼に夢中になったと言っている。2人は深く愛し合ったがピーターはゲイ。結局2人はありままの現実を受け入れ、離婚後友情はピーターの死まで続く。
このピーターを舞台では坂本昌行が演じ、2人の関係がとても心打つものになっていた。

後編では映画「キャバレー」の撮影に関するエピソードに多くを割いているが、あの独特の髪型は、父 ビンセントミネリのアイデアだったのか。
この作品は1930年代ナチスが台頭し始めた時代、ベルリンの小さなキャバレーの踊り子の話だが、ライザは20年代後半のマレーネ・デートリッヒをイメージしていた。しかしミネリはルイーズ・ブルックスという女優の変わった髪型を彼女に勧めたということだ。
このエピソードに限らず、ライザは仕事の面では母親ジュディ・ガーランドよりもビンセント・ミネリに多くのアドバイスを受けていたようだ。たしかに、ミネリ映画の色彩美学は素晴らしいし、ライザが芸術的な父親のセンスを自分に採り入れたのは正解だ。
ジュディからは天分と、男運の無さ、酒やクスリにおぼれる弱さ受け継いじゃったのね。

ブロードウェイ・ミュージカルで女王して認められたのはボブ・フォッシー演出の「シカゴ」。舞台の評判が悪く、主演のグエン・バードンが病に倒れたのをきっかけに打ち切りになるところを、ライザを起用したことによって大ヒット作となる。

ライザはたった6日のリハーサルで舞台に立ち、6週間先のチケットが1日で売り切れたという。普通は、大スターの代役を大スターがやることは自分の価値をおとしめることになるのだが、ライザはそんなことは気にもかけなかった。自分が求められているなら役に立ちたいと。人柄もいいんだなあ。
この舞台の映像がないのが残念だ。他には、見ることの出来ない舞台映像なども色々あったのに。

その後は酒、セックスに溺れ、薬物依存で何度も死にかけ不死鳥のように立ち上がるという20年間。何で母親と同じ道をたどるんだろう。

でも、まあ、2004年の時点では完全に復活し、コンサートで喝采を浴びる。少し声の張りが無くなっているように思えたが。
【2006.12.13】 TV
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